昔話のもと2006/07/24 21:30

大昔にL晶討論会の世話人をやったときに、会場でのアンケートの結果や思いついたことを、L晶討論会の終了後にWeb上で公開していた。そのファイルはとうの昔に方向不明になっていたのだけれど、ふと思いついて、建物のサーバ室に眠っている、昔のサーバをのぞいたら、当時のファイルが発掘された。
というわけで昔話のもとが出来たので、一連のシリーズで公開していこうと思っている。

昔話 L晶討論会とB子K造討論会比較2006/07/24 21:37

この文章は大昔にL晶討論会をやったときにWeb上で公開していた文書を一部改変したものです。

人手とノウハウの問題

L晶討論会とB子K造討論会を比べてみると

 化学系の討論会の一つに「B子K造総合討論会」があります。今年は名古屋で4日間の期間で行われました。講演総数が700~800件でポスターセッションがあります。また、クロークもきちんとあり、会場の質問者用のマイクの設備もあり、また休憩室にはお茶(有料)の準備もありました。今年度のL晶討論会に比べると至れり尽くせりであります。
 ところで、この2つの討論会のスタッフ数(大学等の常勤職員)はといいますと、L晶討論会が1~2人、B子K造が12+10人でした。L晶討論会は講演数が240ですから、規模としては1/3程度です。しかし、講演会の手間は講演数によらないベースの部分と講演数に比例する部分がありますから、L晶討論会のスタッフ数はB子K造に比べるとはるかに少ないといえます。このことは、次に述べる理由から考えて今年度に限らず、例年のことだろうと考えています。

何故L晶討論会の世話人は小人数か

 L晶討論会にせよB子K造総合討論会にせよ、どこかの大学の教員が世話人を引受けます。そして、その大学で、その討論会に参加している教員が、そのサポートに入ることになります。B子K造総合討論会の参加者は物理化学系を中心としてるので、理学部化学科の1/3程度以上の教員+工学部応用化学等の一部の教員が関係者となります。それに対して、L晶討論会では多くの場合、ある大学でL晶を中心にやっているのは1講座程度であり関係者の数は多くても数人程度に限られてしまいます。従って1つの大学で世話人を引受けている限りは確実に人手不足となります。将来的には、現地の世話人は会場回りのことのみを担当して、予稿集などは別のところで世話をするようにしてもよいと感じました。また、討論会の世話はこれまで大学関係が中心になっていますが、L晶討論会に関しては参加者ベースで大学・研究機関等に比べて会社からの参加者は1.5倍(これは、学生も入れての数字です。社会人だけだと大学・研究機関に対して会社からの出席者は3倍以上となります。)です。これは、B子K造とは大きな違いで、B子K造ではほとんどの参加者が大学・研究所に所属しています。受益者負担という考え方からは、企業の方にL晶討論会の運営にも(旧L若には多くの企業の方に積極的に参加頂いていたみたいですが)参加して頂けないだろうかと感じました。そのための受け皿的な組織も出来たことですから。

L晶討論会世話人としてのノウハウの蓄積

 世話人をお引受けした後に、多分T海先生が作られたと思われる、「自主開催のための手引き」は頂きましたが、それ以外には文書での記録の引継ぎはほとんどありませんでした。逆にいえば、R科大の先生方が裏方としてL晶討論会をずっと支えてきて下さったから文書が不必要だったわけで、いくら感謝しても感謝しすぎることはないと思います。今回も、関連学会への共催の依頼や世話人会の手配などをR科大のK藤先生にすべてやっていただき大変に助かりました。また、K出先生からは準備のための資金をお回し頂き、参加費が集まり始まるまでも不安なく準備を進めることが出来ました。
 あるいは、化学会の連合討論会の一環として行う場合には、化学会に頼れる部分もあるので、文書化したマニュアルやノウハウの伝授もそれほど重要ではないかもしれません。しかし、来年度以降はL晶学会による開催になるでしょう。また事前登録やホームページ等の新しい試みが継続し、ポスターセッションが新設されるのでしたら、マニュアルやノウハウの整備はかなり急を要する問題だと思います。